ブログ

Blog

未来の働き方を考える

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』より

目次

1.産業の新陳代謝

1920年、今から100年前のアメリカは3人に1人は農業従事者でした。
産業構造でいう1次産業が約35%以上を占めて、GDPで高い割合の頃は40%近くを占めていました。
しかし、2000年には農業に従事する割合はなんと1%まで低下しています。

日本でも1955年日本の就業人口約3600万人のうち、
農業を中心とする1次産業従事者が約1600万人で約46%は占めていましが、
年々2次産業3次産業への流入、雇用の中心がオフィス労働にシフトされ拡大することで、
1次産業は衰退して2019年の今日では約220万人約3%まで減少しています。

1次産業から2次産業に、2次産業から3次産業へと移ると古くからペティの法則でも実証されているように、
収益性の高い産業に労働力が流れて、モノがいきわたり需要が満たされると、
今度はサービスに需要が流れるとされています。既にアメリカでは3次産業就業者が80%を超えています。

雇用の内容も変化し、職種では専門職・技術職・事務職・サービス・管理職・経営者が大きく増えて、
一方で農業・肉体労働者・工員・家事サービスなどの分野が減少しています。

時代の変化と共に経済構造が変わり、
機械や技術などのテクノロジーが進化し生産性や効率性を飛躍的に伸ばしていることで、
食料需給は減少することなく労働者数が職種を移行している状態です。
労働力の移行に伴いGDPの比率もサービス産業を中心に40%から65%まで拡大し
目覚ましい成長をとげている産業もあります。


2.長寿の恩恵を受けやすい産業

このサービス産業分野の成長は、長寿の恩恵を受けやすいといえます。
100年前は勿論もっと身近にこの30~40年でも人々の生活を背景に、豊かさにささえられ、
余暇時間を活かし、楽しみ方の多様性が広がり、多くのサービスを消費して、
それを生活の一部として活用していることが伺えます。

生活関連サービスと医療福祉介護サービス、
それに最近では電気情報通信サービスが大きく伸びてきています。
生活関連のサービスでは、特に葬儀業・ペット病院関連・運転代行・建物サービス・警備など、
90年以前にはあまりなかった関連のニューサービスといわれるものが増えています。

余暇時間が増えることで、映画館や劇場、スポーツクラブ・フィットネス施設などのレジャー産業、
美容業化粧品サービスなどが増加しています。

医療福祉介護サービスは高齢者の増加や長寿化により今後も更に拡大が見込まれています。
それが経済に及ぼす影響は大きく、高齢化長寿化と共に医療医学研究や高齢者向けの需要要素は、
その商品やサービスなどの産業のさらなる発展も見込まれています。

また最近は特に、地球温暖化による温室効果ガスの排出削減などの環境問題や、
エネルギー生産と資源保存に向けた地球規模の話題、
食糧生産や健康増進に関する話題がクローズアップされるなど、
飛躍的なイノベーションが起きることが期待されています。

国連の持続可能な開発目標であるSDGsの取組みも、ポイントになるのは、
「環境」と「経済」、人権や暮らしといった「社会」の三つの分野の調和を図ることとされています。

世界共通の取組みとして、先進国や企業にとっても人々にとっても2030年に向けた目標が示されて、
責任を持って変革に努力することが求められています。

”SDGs 持続可能な開発目標(じぞくかのうなかいはつもくひょう、
英語: Sustainable Development Goals: SDGs〈エスディージーズ〉)とは
国連の持続可能な開発のための国際目標であり、
17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)からなる”
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

3.働き方の変化が加速する

産業も時代と共に変化して大きな転換が起きることで、
我々も柔軟な生き方働き方が時代と共に求められていきます。

主流となる大企業も変わり、その大企業を中心としてその周りに中小企業や新興勢力などの
企業構造も変化が起きてビジネスのエコシステムが形成されていきます。

既にGAFAM(ガファム)と呼ばれるIT企業の雄となる5社、
「G(Google)A(Apple)F(Facebook)A(Amazon)M(Microsoft)の頭文字を取った呼び方のこと」が
世界をリードして、インターネットを軸としたプラットフォームビジネスや、
膨大なデーターを活用したAIや自動化への流れをけん引し、
人々の生活インフラに欠かせないサービスとなってきています。

それらを活かしたビジネスのエコシステムにおける働き方は、
フルタイムやパートタイムでの働き方ではなく、ギグエコノミーやクラウドソーシングサイトを活用して、
在宅におけるテレワークなど生活と労働活動がより身近なものにもなっていきます。

国内でも、トヨタがスマートシティ構想として静岡県富士山の裾野で「ウーブン・シティ」計画を発表していますが、
実験都市としてあらゆるモノやサービスがつながる街をつくることをテーマに取組んでいます。
IoT(Internet of Things)やビッグデータ、AI人工知能、ロボットといった新技術と、
新たな働き方や暮らし方が取り入れられ試みが始まります。


4.まとめ

これら新たな拡大産業を中心として暮らしや働き方などが変わり始めています。

特にコロナ禍でのその対応が今注目され、これまで日常だった毎日満員電車で会社に出勤し、
会社の集団組織の中で仕事をこなすワークスタイルが今急速に見直されています。

新たなワークスタイルがいち早く取り入れられて加速に拍車がかかっていますが、
働き方改革として地道に進んでいたら、仕組みすら理解しづらく導入にはそれなりの時間がかかったとも思われています。

長寿化に伴い人生の3ステージからマルチステージへの変化とともに、
働き方や環境が変わり、成長産業もどんどん変化していきます。

働き方の変化をいち早く体感しタイミングを利用することで、
マルチステージに向けての柔軟な発想や思考を持ちつづけことが、
長寿化の恩恵にあずかれる必要な要素となってきています。


参考資料 : 日経新聞社 トヨタスマートシティ「ウーブン」
     日経BP 日経クロステック
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般社団法人SDGs支援機構
みずほ総研論集「我が国のサービス産業の現状」
経済企画庁 日本の農業人口の減少

SHARE
シェアする

ブログ一覧

ページの先頭へ