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70歳定年の「メリット」と「デメリット」

企業は70歳までの雇用確保にむけて「70歳定年制」「定年制の廃止」などの制度を導入していきます。
企業側にとって、「メリット」と「デメリット」は?

目次

1.企業に求められる、「70歳までの雇用確保」とは

日本は少子高齢化が急速に進み、この先人口も減少していきます。

人口の約6割を占める生産年齢人口(15歳~64歳)が減少して、
高齢化を記す老齢人口(65歳以上)が2020年28.9%、5年後の2025年には30.0%に、
2055年には38.0%に達すると総務省は予測をしています。

このことからも、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、
高年齢者が活躍できる環境の整備を目的として、
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正され、
2021年4月1日から施行されます。

段階的に雇用年齢を引き上げて
企業は従業員が70歳になるまで就業機会を確保できるように制度を設けることとなります。

企業が実施することは、
2025年4月までに「65歳までの雇用確保」(義務化)を実施すること。
企業が新たに努力することは、
「65歳の雇用確保」の次は、「70歳までの雇用・就業機会を確保」(努力義務)に向けて、
2021年4月から準備を進めましょう、ということです。

参考ブログ ↓↓↓↓↓ 
「定年崩壊」、もうサラリーマンは安泰じゃない

2.企業側 6つの「メリット」

①即戦力を安定して確保できる

生産年齢人口は年々減少し労働力の確保が難しくなります。
企業における人材不足が深刻化し新たな人材の確保が困難になっていきます。

これまでの会社で雇用を継続することは、
会社の仕組みや業務を深く理解している即戦力の人材を随時継続的に維持することができ、
戦力の安定的な確保につながり、雇用計画や採用計画が立てやすくなる。

②ノウハウ・伝統が継承できる

会社の技術力や専門知識の定着や促進につながり、
経営資源の着実な維持や継承による技術力生産力の拡大に期待が持てる。

継承する技術や知的財産など会社の生産性に欠かせないノウハウなどが、
着実に次世代に継承することで企業発展とともに、企業文化や伝統の積み重ねに期待が出来る。

③若手や後継人材のスキルアップや育成に役立つ

若手や後継人材のスキルアップや育成に役立つ
長年の経験で得たスキルや専門分野のノウハウ・技術力を、若手・後継人材に着実な継承により、
個人のスキルアップや技術力の向上につながる。
また人材の育成が進むことにより会社の経営資源の生産性の向上や生産効率・経営効率にもつながる。

以上の①②③、3つは企業として雇用を維持するケースですが、

以下の④⑤⑥、3つは雇用の維持はしないが支援をするケースです

④個人とのフリーランス契約への資金提供

フリーランス側がこれまでの勤務時代の経験やスキルを活かして、
同様の仕事や類似の業務を継続する場合は、
元従業員として仕事スキルも把握できていることから、
企業側もフリーランス契約先として仕事を依頼しやすくなる。

仕事の依頼内容についてもその業務経験者など仕事理解度が高いことが想定され、
意思の疎通が容易であり、効率的効果的なフリーランスへの仕事依頼が可能になる。

フリーランス側も開業初期から仕事を受注する為の手間や苦労も少なく出来る。

フリーランス支援に必要な資金も利用頻度や効果次第では投資効率が高くなり、
雇用継続に伴う人件費等経費比較において効果的になることも充分予測されます。

⑤個人の起業支援

フリーランス同様に企業との業務関係を継続し、仕事の関連性を効果的に活用することで、
支援にかかる資金的支援も、投資効率も良くなると予測されます。

個人の起業だからできる仕事の職種や内容、仕事の量や規模感もあり、
企業がわざわざ事業レベルとしては手を出さないニッチな仕事の部分を、
個人の起業家としてスタートが出来たら、
企業との連携など、その後の拡大要素が相互に期待が持てる。

⑥個人の社会貢献活動参加への資金提供

企業として社会貢献活動への関りは、企業の責務として、
地域社会、環境保全など様々な取り組みがその企業の独自性を盛り込んで、
金銭的・時間的・物的・人的な支援や協力を通じて、社会問題の課題に取り組むことで、
企業本来の収益を目的として経済活動とは違う切り口で展開されています。

それらの活動に、その企業OBが参加することで、社会貢献活動への理解もより深まり、
企業としての貢献活動に対する姿勢にもいい影響を与えると思われます。

3.企業側 3つの「デメリット」

① 人件費の増大、賃金報酬の問題

高齢者層の雇用延長により、従業員数の増加や高賃金の従業員が増えることで、人件費が増加する。
特に年功序列型の賃金体系は平均年齢の増加とともに経営への影響が拡大する。

また高齢者賃金の減額は、同一賃金同一労働の規定により、
労働内容の変更や職場転換なども必要となります。

なんといっても固定費、特に人件費の増大は、企業経営に与える影響力が大きい。
70歳まで雇用を維持することは、この固定費の増加は避けて通れなくなります。

雇用を継続せず、フリーランスや起業を促しても、支援金や協力等による出費は発生します。

いかに企業努力において吸収したり、フリーランス・起業による経営効果を生み出すかは、
企業の経営企画手腕も試される場面となります。

② 企業全体の高齢化による若手人材の減少

ベテランの定着により、組織内の流動化が鈍り若手人材の台頭の場が失われる。

年功序列型の評価制度などを採用していると、
昇進昇格がしにくくなり若手社員の不満につながりやすい。

中高齢者の人員数によっては新規採用が減少したり、若手社員の離職リスクが懸念され、
年齢構成比バランスに偏りが生じる。

③ 安全管理や健康面への配慮

高齢者の場合、健康面のリスクや体力面の低下を考慮した職場や労働内容に配慮したり、
過酷な労働環境にならないように安全配慮義務に沿った就労管理が必要になります。

継続的な勤務に支障が出たり、突然の勤務困難になる業務停滞のリスク回避が、
平時から備えておくことが必要になる。
定期的な健康診断や予防措置を実施するなど、健康チェック体制を設ける必要がある。

4.まとめ

増える高齢者の雇用継続向けて、企業側も全社員の働く環境やモチベーションを高く維持できるように、
評価制度や賃金体系の見直し、働く環境や職場の整備、
雇用維持制度や支援制度を駆使した採用計画の立案修正など、
多数の課題を抱え、国の「70歳就業法」の導入に合わせていくことが求められています。

企業の経営環境にあわせて、
「雇用を維持」「雇用以外」のそれぞれ選択肢をどのように取り入れていくのか、
重要な経営判断にもなります。


つづく

次回は、70歳定年、働く個人のメリット・デメリットを掲載します。


参考資料 : 
厚生労働省 高齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~
日本経済新聞 高齢者雇用に関する記事
パーソルキャリア
 70歳定年時代に向けて企業がやっておくべきこと~2020年法改正~
週刊ポスト 定年崩壊の記事
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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