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新型コロナウイルスを知る、世界と日本の今

発生から間もなく1年を迎えようとする中、新型コロナウイルスとの闘いでわかってきたこと

目次

1.新型コロナウイルスの発見から1年


新型コロナウイルス(COVID-19)とは

2019年12月、中国武漢で肺炎になる人を調べたら、
ヒトに感染する7種類目の新型コロナウイルス(COVID-19)が見つかりました。

3月11日、WHOが新型コロナウイルスについて世界的な流行「パンデミック」表明から、
現在約8か月間が経過し、感染スピードの速さと広がりの大きさにより、
今、世界中で感染拡大により人々の生活を苦しめています。

コロナウイルスはこれまでに50種類以上が見つかっていて、
これまで人に感染するコロナウイルスは6種類わかっていて、4種類は普通の風邪といわれています。
あと2種類が「SARS」と「MERS」です。

2002年「SARS」(=サーズコロナウイルス、重症急性呼吸器症候群)は、
中国を中心にコウモリが持つウイルスから8,000人が感染したが、
症状が分かりやすく比較的封じ込めも早く出来ました。

2012年「MERS」(=マーズコロナウイルス、中東呼吸症候群)は、
中東地域を中心にヒトコブラクダが感染源と言われたが、世界的な大流行にはならなかった。

7種類目が今回の新型コロナウイルス(COVID-19)です。
”COVID-19は「コロナ(Corona)」、「ウイルス(Virus)」、「病気(Disease)」という単語と、
この病気がWHOに報告された「2019年」の組み合わせで正式名称となっています”

世界の感染状況

3月11日時点   WHO発表
新型コロナウイルスが確認された国と地域数 117。
感染者の合計数   約 11万8000人
• 中国       約 8万人  (世界で最初に新型コロナウイルスの報告)
• イタリア     約 1万人  (爆発的な感染拡大で医療体制ひっ迫)
• イラン      約 8000人
• 韓国      約 7000人
• 日本        1330人

亡くなった人の合計  約  4200人
• 中国        約 3100人
• イタリア      約  600人
• イラン       約  300人
• 韓国        約  60人

11月15日時点   8か月たった今、  
新型コロナウイルスが確認された国と地域数 188。(※クルーズ船等含む)
感染者の数     約 5392万人  3月の450倍以上
• アメリカ    約 1090万人
• インド      約 881万人
• ブラジル     約 584万人
• フランス    約 186万人
• 日本       約 11万9千人
感染が多い地域も変わり、世界中のほとんどの場所に広い範囲で広がっていることが分かります。

亡くなった人    約 131万1000人  
• アメリカ     約 24万5000人
• ブラジル     約 16万5000人
• インド      約 12万9000人
• メキシコ     約 9万8000人
• イギリス     約 5万1000人
• 日本       約   1900人
亡くなった人もこの8か月で310倍以上となる約131万1000人余りと大幅に増加しました。

日本の感染状況

日本国内の感染者数も大幅に増えています。

新型コロナウイルス感染者数   1330人  3月11日時点(各地自治体・厚生労働省)
• 国内で感染が確認された人   620人
• クルーズ船の乗客・乗員    696人
• チャーター機で帰国した人   14人

亡くなった人   21人 (クルーズ船の乗船者含む)

11月15日時点
国内の感染者数  11万9400人  3月比 約90倍に達する状況です。
亡くなった人     1908人  3月比 約90倍になります。

死者数から見ると国内でインフルエンザに関連する死亡者数が、年間 約1万人と言われことから比較すると、
新型コロナウイルスの感染死者数は、まだ決して高いと言えない状況です。

しかし、死者数の割に当初は致死率が高いことが不安視されていました。

治療対策により致死率が低下

2月末に中国中心に感染者 約5万6000人の時点で致死率が全体の3.8%

当時、最も多く感染者が確認されていた中国湖北省武漢では5.8%と高く、
その他の地域では0.7%と大きな差が出ていました。

また、高齢で80歳を超えた感染者の致死率は21.9%とされ、感染者の5人に1人が亡くなっているという結果になります。

日本でも国立感染症研究所が国内のデータを分析し、
今年5月末までの1か月間をみると「調整致命率」は全体では7.2%でした。

条件が異なるため単純に比較はできませんが、数値上は2月時点の中国・武漢よりも高くなっています。
年代別に見ていくと高齢になるほど高くなっています。
• 60代まで  1.3%
• 70代以上  25.5%

この傾向は2月にWHOが公表したデータと同じで、
その後、8月1か月間のデータを分析すると致死率は大きく下がっています。
• 全体    0.9%
• 60代まで  0.2%
• 70代以上  8.1%

この致死率の大幅な低下は、国内の流行当初は、
症状の重い人の診断が優先されていたため、致死率が高くなる傾向があり、
その後、検査の数が増え、軽症の人や無症状の感染者が多く診断されるようになったことと、
治療法の改善により亡くなる人が少なくなりました。(国立感染症研究所発表)

3月の感染拡大当初、新型コロナウイルスは、肺炎をどう治療するか、
突然呼吸不全に陥る「ARDS」(急性呼吸窮迫症候群)と呼ばれる症状に、
どう対処するかがポイントとなっていました。

その後の研究で、重症化するメカニズムとして「血栓」と「サイトカインストーム」に注目することで、
致死率の改善低下につながりました。

「血栓」とは、感染すると小さな血液の塊=血栓ができやすくなり、
さまざまな臓器の血管が詰まることで心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすこと。

「サイトカインストーム」とは、感染によって「免疫」が暴走して自分自身の体を攻撃し
多臓器不全を引き起こすこと。

この半年間でこれら重症化のメカニズムはすでに新しい治療法に活用され、
死者を減らす効果が表れているようです。

2.AIによる症例分析で見えたこと

NHKがAI(人工知能)を使って約20万本の論文報告を解析し、
新型コロナウイルスの感染で、これまで100種類以上の症状があることを紹介しています。

8日夜9時から、NHKスペシャル「新型コロナ全論文解読~AIで迫るいま知りたいこと~」にて放送され、
ご覧になられた方も多いかと思います。

これまで一般的に新型コロナウイルスに感染した際の症状は、
いわゆる「風邪」と診断される呼吸器感染症で、
気道粘膜に感染することで、咳、鼻水、高熱などの症状を引き起こしたり、
人によっては、味覚障害やドライアイ、それにじんましんなど全身の116種類の症例が報告されています。

重症化に向かうとする肺炎や発熱が続き、
高齢者や元々基礎疾患を持っている方は重篤化リスクが高くなると言われています。

論文の中で報告が多かったのはめまいや記憶障害、
それに幻覚など脳や神経に関する症状約30種類がありました。

特筆する症例で重症患者の脳の画像を分析した結果、
呼吸や睡眠などをつかさどる「脳幹」という部分に炎症が起きていた事例も報告されており、
専門家も、
”感染症の二次的な症状でこれほど種類が多いことが、
ウイルスが原因で起こるのかさらに精査が必要として、全体像の究明に期待を寄せている。”
引用:(国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの長谷川秀樹センター長)

新型コロナウイルスから回復した63人の追跡調査で、
退院後に髪の毛が抜ける脱毛症になった人や、息切れやけん怠感、
匂いが感じられない嗅覚の異常などが後遺症となるケースも紹介されています。

脱毛症は、エボラ出血熱やデング熱から回復したあとでも報告事例があり、
治療が長引くことによる心理的なストレスが引き金になった可能性があり、
後遺症が出るリスクの要因解明も今後続けていく必要があるとされています。

このように、最悪 死に至るケースは避けられたとしても、
重い後遺症に悩まされることで、コロナウイルス感染の恐ろしさを認識し、
日ごろから感染対策に気を付けた生活を心がけたいと思います。

参考資料:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス「ワクチン開発の進捗状況は」 より
     国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターのコメントより

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