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コロナ対策 ワクチン開発の今

感染拡大による不安が広がる中で、新型コロナウイルス ワクチンの完成はいつ?

目次

1.新型コロナウイルス ワクチンの完成はいつ?


感染拡大による不安が広がる中で、新型コロナウイルスワクチンの完成はいつ?

ワクチン開発は完成まじかにあり、年内にも供給がスタート出来る段階まで来ています。
新型コロナウイルスのワクチン開発は、各国で異例のスピードで進められています。

WHO(=世界保健機関)の発表(11月3日時点)
・研究中のワクチンの候補              約200候補
・内、ヒトに投与して安全性や効果を確かめる臨床試験中  47候補
・臨床試験で3段階ある中の最終段階           10候補

直近の開発ニュース(11月10日)では、
アメリカ製薬大手「ファイザー」がドイツの企業「ビオンテック」と共同開発中のワクチンは、
最終段階の臨床試験中です。 

開発見通しは、11月第3週以降 FDA(アメリカ食品医薬品局)に緊急使用の許可申請する。

ワクチン供給見通し
・年内に5000万回分、
・来年には最大13億回分の生産予定 (内、日本にも6000万回分の予定あり)

ファイザーは、試験はまだ進行中で、予防効果の数値は今後変わる可能性があるとしながらも、
開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験について、
「90%を超える予防効果がある」とする暫定的な結果を発表しました。

また、アメリカ製薬企業「モデルナ」が開発中の新型コロナウイルスワクチンも、
アメリカでおよそ3万人を対象に最終段階の臨床試験を行っています。

日本では第3波感染拡大が始まり、
世界的にも欧米を中心に感染拡大再流行による不安が広がり始めています。

社会経済と感染予防の両輪をまわす上でも、世界中で個々が感染予防策に色々取り組んではいるものの、
安心への大きな一歩にもつながる手段として、ワクチン開発・普及が期待されています。

2.開発を歓迎する対照的な二人

アメリカ製薬大手「ファイザー」のニュース(11月10日)は、
WHOや専門家も、開発を歓迎し試験結果を称賛するコメントが出されています。

アメリカでは、トランプ大統領もツイッターに「なんとすばらしいニュースだ」と書き込み歓迎しています。

また、大統領選挙で勝利を宣言した民主党のバイデン前副大統領も
「この躍進を生み出し、希望を与えてくれた才気あふれる人々を祝福する」と歓迎しています。

これまでトランプ大統領が対コロナウイルス感染対策には、楽観的な読みも多く軽視している場面が目立ち、
いまだに1日1000人以上の死者が出ているのも現実です。

一方、バイデン氏は国民に予防接種が広く普及するのはまだ当面、時間がかかるとも指摘したうえで、
「マスクの着用がワクチンよりも強力な武器であり続ける」と、
さらなる感染対策の徹底が必要だとの考えを強調し、
ワクチン開発の結果に一喜一憂することなく、着実に対策を進めていく決意も示していました。

折しも大統領選挙により、
トランプ大統領とバイデン前副大統領の二人の対照的な考え方が垣間見えるコメントとなっています。

3.ワクチン供給、日本の期待

ワクチン接種の見通し

国内では厚生労働省が、国民全員が接種できる量のワクチンを来年前半までに確保する方針を出しています。

欧米の製薬会社3社から開発に成功した場合に供給を受ける契約で合意しています。
・アメリカ製薬大手「ファイザー」とは来年6月末までに6000万人分の供給契約
・アメリカ製薬会社「モデルナ」とは来年6月末までに2000万人分を含む
 合計2500万人分の供給契約
・イギリス製薬大手「アストラゼネカ」とは来年3月末までに1500万人分、
 合計で6000万人分の供給契約

一方、開発中のワクチンに感染や重症化を防ぐ効果がまだ不透明、
また臨床試験で確認できなかった副作用が実用化後に出てくる可能性もあるとしています。

欧米の製薬3社との契約以外に、
国内の製薬会社や研究者も新型コロナウイルスのワクチン開発を進めていますが、
国産のワクチンが実用化される時期については「来年から」からと言われています。

ワクチン接種の優先順位や費用は?

大量のワクチンの接種を自治体がどう効率的に進めていくかも課題となる中で、
厚生労働省は、医療従事者以外で、高齢者や基礎疾患がある人を優先的に接種する方針を出し、
今後学会などの意見を聞いて検討するとしています。

一方、妊娠中の女性については、臨床試験のデータがないことなどから、
優先接種の対象にする判断を見送り、慎重な検討が必要な場面となっています。

またワクチンの接種を国民の「努力義務」と位置づけ、接種は市町村が行い、
費用は全額国が負担すると発表しています。

また健康被害が確認された場合は、
医療費を支給するとして健康被害への責任負担も明確にしています。

4.ワクチン接種にはまだまだ課題も多い

各国で新型コロナウイルスのワクチン開発が急ピッチで進められ、ワクチン確保に向けた競争も激しくなっている。

世界中で必要な総量をいかに生産・保管し、必要な場所まで運ぶかなど課題も山積されています。

世界の人口78億人全員に1回いきわたるまでに必要となる総量は、
ボーイング747型の貨物機8000機の積載量に相当すると言われています。

世界的なパンデミックにより、旅客機の60%が飛ばなくなった影響で、貨物輸送が大幅に落ち込んでいる。
完成したワクチンの品質をいかに維持して接種につなげるか、
どのように病院など接種の現場まで届けるのか、
サプライチェーンの構築も急務となっていています。

インフルエンザのワクチンなどとは異なり、
マイナス60度から80度というかなり低い温度での保存や輸送が必要となりそうなワクチンもあり、
アメリカでは大量の冷凍庫を備えた物流拠点の建設なども進められているようです。

このようなことからも、まだまだワクチン接種で安心できる段階までには、
さまざまな課題・検討・対策の道のりが続きます。

5.まとめ

まだまだワクチン接種で安心できる段階までは、時間と様々な対策対応が続きます。

たったこの半年・1年弱で医療環境・経済環境・生活環境など世界の日常が大きく変化し、
働き方・学び方、社会活動、生活スタイルも大きく変わって来ています。

医療従事者でコロナと戦っている皆さん、
ワクチン開発、感染対策に必死で挑まれている皆さん、
コロナ危機で経営危機に追い込まれ苦戦が続く皆さん、
コロナの影響でこれまでの生活が変わって戸惑う皆さん、
色々な戦いはまだまだ続いていきます。

私たちは常に新しい情報を得て、「正しく恐れる」ことで、一人一人が出来ることを意識し、
頑張っている方に敬意を表しエールを送り続け、
戦っている方々のご苦労に報いたいと願わずにはいられません。

では、また。

参考資料:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス「ワクチン開発の進捗状況は」 より

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